「夏休みに頑張って作ったゲーム、9月になったらもう開いていないんです」——毎年この時期、そんな話を耳にします。
もったいない、と思います。夏に完成させた作品は、そのままの状態で応募できるコンテストが、この秋にいくつもあるからです。この記事では、2026年秋に小中高生が応募できる主なコンテストと、応募フォーム・作品説明文・動画という「応募の実務」を順番にご紹介します。入賞を狙う記事ではありません。「応募した」という経験を、夏の作品に上乗せするための記事です。

自由研究やこの夏の取り組みで、お子さんがゲームや作品を1本完成させたご家庭も多いと思います(私たちの教室でも、7月から9月にかけて生徒たちとオリジナルゲームを1本完成させる取り組みを進めています)。
完成した作品には、実は次の使い道が2つあります。1つはポートフォリオとして残すこと。もう1つが、コンテストに応募することです。
コンテスト応募のいいところは、作品を作り直す必要がほとんどないことです。必要なのは、作品そのものではなく「作品を人に説明する準備」。つまり、夏に作った作品がすでに手元にあるなら、応募までの残り作業は説明文と提出手続きだけです。
コンテストの全体像(どんな大会があるか・選び方)は小中学生向けプログラミングコンテストガイド2026にまとめてあります。この記事はその続編で、「この秋、実際に出すには何をするか」に絞ります。
執筆時点(2026年8月)で確認できた、応募受付中または受付予定の大会です。締切・要項は変更されることがあります。応募前に、それぞれの公式サイトで最新情報を確認してください。
大会 | 対象 | 応募締切(2026年) | 特徴 |
|---|---|---|---|
Tech Kids Grand Prix 2026 | 小学生 | 9月30日(水)23:59 | 言語・ジャンル指定なし。アプリ・ゲーム作品 |
全国選抜小学生プログラミング大会 | 小学生 | 都道府県大会ごとに異なる | テーマ「みんなのみらい」。個人または4人までのチーム |
テック甲子園(旧アプリ甲子園) | 中高生 | プロダクト部門 8月30日(日)/アイデア部門 9月28日(月) | 開発した作品または企画書で応募 |

日本最大級の小学生向けプログラミングコンテストです。応募期間は2026年7月1日〜9月30日。対象は日本に在住・在学、もしくは日本国籍を持つ小学生(生年月日が2014年4月2日〜2020年4月1日の方)です。
募集されるのは、プログラミングを用いて開発されたオリジナルのアプリケーションやゲーム作品。言語や部門の指定はなく、Scratch作品でも応募できます。ロボットや電子工作など特殊なハードウェアを必要とする作品は対象外、応募作品は未発表または2026年3月1日以降に発表されたものに限る、という条件があります。夏の作品を出すなら、締切まで約1ヶ月。いちばん現実的な選択肢です。
47都道府県ごとの予選大会を勝ち上がる形式の大会で、2026年度のテーマは「みんなのみらい」。プログラミング言語の指定はなく、個人でも最大4名のチームでも応募できます。全国大会は2027年3月開催予定です。
注意点は、応募方法と締切が都道府県大会ごとに異なること。お住まいの地域の大会ページ(公式サイト zsjk.jp から辿れます)で、締切と応募要項を確認してください。
15年続いた「アプリ甲子園」が2026年から名称を変えた、中高生対象の大会です。開発した作品で応募するプロダクト部門(アプリ/Webサービス/ゲーム)と、企画書で応募するアイデア部門の2部門があります。
締切には注意が必要です。プロダクト部門の作品データ提出は8月30日で、この記事の公開時点ではもう目前です。間に合わない場合も、アイデア部門は9月28日締切なので、「作りたいものの企画」で挑戦する道が残っています。詳細は公式サイト(techkoshien.jp)で確認してください。
どの大会も、応募は基本的にWebフォームです。作品のほかに、おおむね次のことを書く欄があります。
作品タイトル
作品の説明(何ができる作品か・工夫した点)
制作のきっかけ・込めた想い
作品の共有URL(Scratchなら作品ページのURL)や作品データ

つまり、応募作業の本体は「書くこと」です。パソコンの前でいきなり書き始めず、次の章の順番で下書きを作ってからフォームに向かうことをおすすめします。
作品説明文は、お子さん自身の言葉で書くのがいちばんです。ただし白紙から書くのは大人でも難しいので、この4つの質問に順番に答える形にしてください。
これは何をするゲーム(作品)?(ひとことで)
どうして作ろうと思った?(きっかけ)
いちばん工夫したところは?(自慢ポイントを1つだけ)
うまくいかなくて、直したところは?(つまずきと解決)

とくに4つ目です。うまくいったことだけを並べた説明文より、「◯◯しようとしたら△△になってしまい、××に直したら動いた」という記録のほうが、その子が何を考えて作ったかが伝わります。これは自由研究のまとめと同じ考え方で、審査員に読まれる文章でも変わりません。
保護者の方の役割は、文章を直すことではなく、この4つを質問として聞いてあげることです。答えた言葉を、多少たどたどしくてもそのまま書かせてください。
大会によっては、作品のプレイ動画や紹介動画の提出を求められる場合があります。要項に動画の指定があったら、次の3点だけ押さえれば十分です。
画面録画で、作品が動いているところを撮る(凝った編集は不要です)
最初の10秒で「何の作品か」が分かるようにする(タイトル画面→操作開始、の順)
指定の長さ・形式を守る(ここだけは要項どおりに)

スマホで画面を直接撮影しても構いません。動画のクオリティは審査の本体ではなく、作品を伝えるための添え物です。ここに時間をかけすぎないでください。
正直に書きます。どの大会も応募数は多く、入賞は簡単ではありません。ですから、入賞を目的に応募するのはおすすめしません。
それでも応募をすすめる理由は、応募の過程そのものにあります。締切に向けて作品を仕上げる。自分の作品を、知らない人に伝わるように説明する。フォームを送信して、結果を待つ。——これは、作品を「自分だけのもの」から「人に見せるもの」に変える経験で、作って遊んで終わるのとは残るものが違います。
結果がどうであれ、応募した作品と説明文はそのままポートフォリオの1ページになります。応募経験は消えません。
教室の現状を、正直にお伝えしておきます。私たちの教室から、コンテストに応募した生徒はまだいません。この夏、生徒たちとオリジナルゲームを1本完成させる取り組みを進めているのは、まさに「完成させた作品を、いつか誰かに見せる」ところまで持っていきたいからです。この記事は、その最初の一歩を教室の外のご家庭とも共有するために書いています。
もうひとつ。コンテストの要項を見て「Scratchじゃ弱いのでは」と心配される保護者の方がいらっしゃいますが、Tech Kids Grand Prixをはじめ多くの大会は言語の指定がなく、Scratch作品で応募できます。私たちの教室でも、Scratchから HTML / CSS / JavaScript のようなテキスト言語への移行には2〜3年かけます。小学生のうちは、今使える道具で作りきった作品が、その子の等身大の代表作です。背伸びした言語選びより、説明文の4つの質問に自分の言葉で答えられることのほうが、ずっと大事だと考えています。
お子さんの学年で出せる大会の公式サイトを1つ開き、締切をカレンダーに入れる(小学生ならTech Kids Grand Prixが9月30日。まず締切の確定から)
「4つの質問」をお子さんに聞いて、答えをメモする。これが作品説明文の下書きになります
夏の作品をもう一度起動して、家族で遊ぶ。応募するかどうかは、そのあとで本人に決めさせてください
この記事を書いた教室について
Kidsプログラミングラボ 秋葉原教室 — Scratchの「楽しい」で終わらせず、HTML / CSS / JavaScript という"本物の言語"まで進ませたい小中高生の家庭に、つまずきポイントと伸び方の地図を渡す、秋葉原の実店舗スクールです。
教室では「作って終わり」ではなく、作品を完成させて人に見せるところまでを学びの一部と考えています。「うちの子の作品、コンテストに出せるレベルなのかな」と迷ったら、一度教室で見せてください。体験レッスンでは、お子さんが実際にコードを書いて画面が変わる瞬間まで体験できます。お子さんとの相性をその場で確かめてください。
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