プログラミングで自由研究・ラスト1週間プラン

「自由研究、プログラミングがいい」とお子さんに言われて、どう進めればいいか迷っていませんか。実は、作品を作るところまでは意外と進みます。多くのご家庭が詰まるのは、そのあとの「まとめ方」です。

この記事では、学ぶ → 設計する → 作る → まとめる の1週間プランを、順番どおりにご紹介します。無料の学習ゲームと、印刷してそのまま提出物になるワークシートも用意しました。パソコンかタブレットが1台あれば、今日から始められます。

最初から「まとめる」までを工程に入れると、作品と記録を同時に完成へ近づけられます。

詰まるのは「作ること」ではなく「まとめ方」

自由研究でプログラミングを選ぶと、多くの場合こうなります。

お子さんは楽しそうに何かを作る。ゲームが動く。本人は満足している。ところが提出の前日になって、保護者の方がこう気づきます——「これ、何を提出するんだろう?」

学校に出すのは、作品そのものではありません。「何を調べ、何を考え、どう作り、何が分かったか」の記録です。ここが自由研究の本体で、作品はその材料にすぎません。

逆に言えば、記録の枠を先に用意しておけば、自由研究は最後まで走りきれます。この記事のプランが「まとめ」から逆算して組まれているのは、そのためです。

よくある3つのつまずき

つまずきは能力の問題ではなく、テーマ・記録・時間の区切り方で起こります。

1. テーマが大きすぎる

「AIを作る」「本格的なRPGを作る」。意気込みは素晴らしいのですが、夏休みの残り日数では終わりません。1週間で終わるサイズは「1つの動きがちゃんと動くゲーム」です。キャラクターが動いて、何かを集めて、点が入る。これで十分に自由研究として成立します。

2. 作品はできたのに、提出物がない

上に書いたパターンです。作りながら記録を残すのが唯一の解決策で、後からまとめて思い出そうとすると必ず薄くなります。ワークシートを最初に印刷して、机の横に置いておいてください。

3. 初日に完成させようとする

プログラミングは「動かない → 直す」の繰り返しでできています。初日に完成させようとすると、最初の「動かない」で心が折れます。日を分けて、1日1つだけ進める設計にしてください。

1週間モデルプラン

1日30分〜1時間が目安です。土日にまとめて進めても構いませんが、「作る」と「直す」の間に一晩はさむと、子どもは驚くほど冷静に自分の作品を見られるようになります。

制作を3日に分け、各日の記録を残すと、最終日にゼロから文章を思い出す必要がありません。

やること

目安

提出物に残るもの

Day 1-2

プログラミングの考え方(順番に動かす・くりかえし・もしも〜なら)を、ゲームで体を通して覚える

各30〜60分

「調べたこと」=3つのしくみの説明

Day 3

自分のゲームを設計する(紙とワークシートで。まだパソコンは触らない)

60分

設計メモ・画面のラフ

Day 4-6

Scratch で作る。1日1つずつ機能を足す

各60分

作品・「工夫したところ」

Day 7

ワークシートにまとめる。家族に遊んでもらって感想をもらう

60分

完成した提出物

Day 1-2 でいきなり Scratch を触らせないのがコツです。「くりかえし」「もしも〜なら」が何なのか分からないまま Scratch を開くと、ブロックの海で迷子になります。先に考え方だけを体で覚えておくと、Day 4 からの進みが目に見えて変わります。

この1週間プランはどこから来たのか

正直にお伝えしておきます。このプランは、私たちの教室が7月から9月にかけての通常レッスンの中で、在籍している生徒たちと一緒にやっている「オリジナルゲームを1本完成させる」取り組みを、ご家庭で1週間に収まる形まで絞り込んだものです。

教室では3ヶ月かけています。ですからこの1週間プランで作れるのは、「自由研究として堂々と提出できる1本」であって、「3ヶ月かけた作品」ではありません。そこは正直に線を引いておきます。

ただ、プログラミングの入口として必要なものは、この1週間に全部入っています。順番に動かす、くりかえす、条件で分ける、動かないところを直す、人に遊んでもらう。これ以上を初回に詰め込む必要はありません。

親がやること・やらないこと

自由研究の質を決めるのは、実は保護者が「手を出さない」でいられるかです。

手伝う範囲を先に決めておくと、お子さん自身が考えた跡を提出物に残せます。

親がやること

親がやらないこと

環境を用意する(パソコン・ワークシートの印刷)

代わりにブロックを組む

「今どこ?」と1日1回だけ聞く

「こうすればいいよ」と答えを言う

完成したゲームを本気で遊ぶ

出来ばえに点数をつける

「どこが一番むずかしかった?」と聞く

まとめの文章を書き直す

とくに最後の1つです。まとめの文章は、多少たどたどしくても本人の言葉のまま出してください。先生が見ているのは文章力ではなく、その子が何を考えたかです。

そして「どこが一番むずかしかった?」——この質問が、次の章につながります。

いちばん大事なこと:「うまくいかなかったこと」を書く

自由研究のまとめで、多くの子はうまくいったことだけを書きます。ここを変えるだけで、提出物の説得力が大きく変わります。

成功だけでなく、仮説を立てて直した過程を書くと、作品づくりが「調べた記録」になります。

書いてほしいのは、こちらです。

「◯◯しようとしたら、△△になってしまった。□□が原因だと思って、××に直したら動いた。」

これがプログラミングでいうデバッグで、実際の開発の現場でも、時間のほとんどはここに使われています。動くものを作る力より、動かないものを直す力のほうが、ずっと長く役に立ちます。

たとえば、こんな形です。

失敗の記録は、自由研究では減点材料ではなく加点材料です。 ここを1つでも書けていれば、その提出物は「遊んだだけ」から「調べた」に変わります。

使う道具(全部無料です)

1. プログラミングの考え方を覚える:ゴーゴービット!

私たちの教室が作った、登録不要・広告なし・インストール不要のブラウザゲームです。ロボットの「ビット」に命令を出して動かしながら、順次・くりかえし・条件分岐を順番に覚えていきます。小学1年生から読めるように、漢字にはすべてふりがなが付いています。

https://gogobit.jp/

低学年のお子さんはブロックを並べる方式で、高学年・中学生は本物の JavaScript を打ち込む方式で、同じステージを遊べます。個人情報の入力は一切なく、進捗はお使いの端末の中だけに保存されます。

2. 提出物の枠:自由研究ワークシート(A4・4ページ)

「調べたこと → 設計 → 工夫したところ → むずかしかったところ → 感想」が、そのまま提出物になる順番で並んでいます。ブラウザから印刷してお使いください。無料です。

https://gogobit.jp/summer/(1週間プランの詳細とワークシート)

3. 作品を作る:Scratch

MIT が公開している無料のツールです(scratch.mit.edu)。ゴーゴービット!の中には「オリジナルゲーム工房」があり、アイデアシート(7つの質問)、デザインのコツ、Scratch で使える最小のサンプル、そしてゲームに使える絵と音の素材が入っています。Day 3 の設計はここを使うと進めやすくなります。

現場から

最後に、教室で子どもたちを見ていて分かっていることを、いくつかお伝えします。

体験レッスンに来るお子さんのうち、約4割はタイピングが未経験です(とくに小学校低学年に多く見られます)。ですから、キーボードで文字を打つ前提のプランを組まないでください。1週間の自由研究なら、ブロックを並べる方式で十分です。文字を打つ練習は、興味が続いてからで間に合います。

もうひとつ。Scratch から HTML / CSS / JavaScript のような「文字で書く言語」に移るには、私たちの教室でも2〜3年かけます。夏休みの1週間で本物の言語まで行こうとすると、まず続きません。この1週間の目的は「作れた」という手ごたえを持ち帰ることだけに絞ってください。

そして、ゴーゴービット!の「オリジナルゲーム工房」を作るとき、私たちはあえて答えを出さない設計にしました。完成品のコードは載せず、質問と最小のサンプルと「考えてみよう」の問いだけを置いています。今は聞けば答えが返ってくる時代ですが、自由研究で本当に残るのは、答えではなく「詰まって、自分で抜け出した経験」のほうだと考えているからです。

お子さんが手を止めているとき、それはたいてい、困っている時間ではなく考えている時間です。少しだけ、待ってみてください。

今日からの一歩

この記事を書いた教室について

Kidsプログラミングラボ 秋葉原教室 — Scratchの「楽しい」で終わらせず、HTML / CSS / JavaScript という“本物の言語”まで進ませたい小中高生の家庭に、つまずきポイントと伸び方の地図を渡す、秋葉原の実店舗スクールです。

この記事の1週間プランは、教室で7〜9月に生徒たちと進めている取り組みを短くしたものです。「1人だと最後まで作りきれるか不安」「もっと深くやらせたい」と感じたら、一度教室をのぞきに来てください。体験レッスンでは、お子さんが実際にコードを書いて画面が変わる瞬間まで体験できます。お子さんとの相性をその場で確かめてください。
👉 無料体験レッスンの詳細・お申し込み

プログラミングの楽しさを
体験してみませんか?

既存のクラスへ体験参加していただき、楽しいゲームやアクティビティ、クリエイティブな学びをクラスのみんなと体験できます。無料体験レッスンで、プログラミング学習の新しい世界を発見しましょう!

プログラミングのイラスト