「自由研究、プログラミングがいい」とお子さんに言われて、どう進めればいいか迷っていませんか。実は、作品を作るところまでは意外と進みます。多くのご家庭が詰まるのは、そのあとの「まとめ方」です。
この記事では、学ぶ → 設計する → 作る → まとめる の1週間プランを、順番どおりにご紹介します。無料の学習ゲームと、印刷してそのまま提出物になるワークシートも用意しました。パソコンかタブレットが1台あれば、今日から始められます。

自由研究でプログラミングを選ぶと、多くの場合こうなります。
お子さんは楽しそうに何かを作る。ゲームが動く。本人は満足している。ところが提出の前日になって、保護者の方がこう気づきます——「これ、何を提出するんだろう?」
学校に出すのは、作品そのものではありません。「何を調べ、何を考え、どう作り、何が分かったか」の記録です。ここが自由研究の本体で、作品はその材料にすぎません。
逆に言えば、記録の枠を先に用意しておけば、自由研究は最後まで走りきれます。この記事のプランが「まとめ」から逆算して組まれているのは、そのためです。

「AIを作る」「本格的なRPGを作る」。意気込みは素晴らしいのですが、夏休みの残り日数では終わりません。1週間で終わるサイズは「1つの動きがちゃんと動くゲーム」です。キャラクターが動いて、何かを集めて、点が入る。これで十分に自由研究として成立します。
上に書いたパターンです。作りながら記録を残すのが唯一の解決策で、後からまとめて思い出そうとすると必ず薄くなります。ワークシートを最初に印刷して、机の横に置いておいてください。
プログラミングは「動かない → 直す」の繰り返しでできています。初日に完成させようとすると、最初の「動かない」で心が折れます。日を分けて、1日1つだけ進める設計にしてください。
1日30分〜1時間が目安です。土日にまとめて進めても構いませんが、「作る」と「直す」の間に一晩はさむと、子どもは驚くほど冷静に自分の作品を見られるようになります。

日 | やること | 目安 | 提出物に残るもの |
|---|---|---|---|
Day 1-2 | プログラミングの考え方(順番に動かす・くりかえし・もしも〜なら)を、ゲームで体を通して覚える | 各30〜60分 | 「調べたこと」=3つのしくみの説明 |
Day 3 | 自分のゲームを設計する(紙とワークシートで。まだパソコンは触らない) | 60分 | 設計メモ・画面のラフ |
Day 4-6 | Scratch で作る。1日1つずつ機能を足す | 各60分 | 作品・「工夫したところ」 |
Day 7 | ワークシートにまとめる。家族に遊んでもらって感想をもらう | 60分 | 完成した提出物 |
Day 1-2 でいきなり Scratch を触らせないのがコツです。「くりかえし」「もしも〜なら」が何なのか分からないまま Scratch を開くと、ブロックの海で迷子になります。先に考え方だけを体で覚えておくと、Day 4 からの進みが目に見えて変わります。
正直にお伝えしておきます。このプランは、私たちの教室が7月から9月にかけての通常レッスンの中で、在籍している生徒たちと一緒にやっている「オリジナルゲームを1本完成させる」取り組みを、ご家庭で1週間に収まる形まで絞り込んだものです。
教室では3ヶ月かけています。ですからこの1週間プランで作れるのは、「自由研究として堂々と提出できる1本」であって、「3ヶ月かけた作品」ではありません。そこは正直に線を引いておきます。
ただ、プログラミングの入口として必要なものは、この1週間に全部入っています。順番に動かす、くりかえす、条件で分ける、動かないところを直す、人に遊んでもらう。これ以上を初回に詰め込む必要はありません。
自由研究の質を決めるのは、実は保護者が「手を出さない」でいられるかです。

親がやること | 親がやらないこと |
|---|---|
環境を用意する(パソコン・ワークシートの印刷) | 代わりにブロックを組む |
「今どこ?」と1日1回だけ聞く | 「こうすればいいよ」と答えを言う |
完成したゲームを本気で遊ぶ | 出来ばえに点数をつける |
「どこが一番むずかしかった?」と聞く | まとめの文章を書き直す |
とくに最後の1つです。まとめの文章は、多少たどたどしくても本人の言葉のまま出してください。先生が見ているのは文章力ではなく、その子が何を考えたかです。
そして「どこが一番むずかしかった?」——この質問が、次の章につながります。
自由研究のまとめで、多くの子はうまくいったことだけを書きます。ここを変えるだけで、提出物の説得力が大きく変わります。

書いてほしいのは、こちらです。
「◯◯しようとしたら、△△になってしまった。□□が原因だと思って、××に直したら動いた。」
これがプログラミングでいうデバッグで、実際の開発の現場でも、時間のほとんどはここに使われています。動くものを作る力より、動かないものを直す力のほうが、ずっと長く役に立ちます。
たとえば、こんな形です。
敵をたくさん出そうとしたら、1匹しか出なかった → 「クローン」という仕組みを使ったら出た
ジャンプしたまま落ちてこなくなった → 落ちる動きを書き忘れていた
点が2倍ずつ増えてしまった → 同じ命令が2か所に入っていた
失敗の記録は、自由研究では減点材料ではなく加点材料です。 ここを1つでも書けていれば、その提出物は「遊んだだけ」から「調べた」に変わります。
私たちの教室が作った、登録不要・広告なし・インストール不要のブラウザゲームです。ロボットの「ビット」に命令を出して動かしながら、順次・くりかえし・条件分岐を順番に覚えていきます。小学1年生から読めるように、漢字にはすべてふりがなが付いています。
低学年のお子さんはブロックを並べる方式で、高学年・中学生は本物の JavaScript を打ち込む方式で、同じステージを遊べます。個人情報の入力は一切なく、進捗はお使いの端末の中だけに保存されます。
「調べたこと → 設計 → 工夫したところ → むずかしかったところ → 感想」が、そのまま提出物になる順番で並んでいます。ブラウザから印刷してお使いください。無料です。
▶ https://gogobit.jp/summer/(1週間プランの詳細とワークシート)
MIT が公開している無料のツールです(scratch.mit.edu)。ゴーゴービット!の中には「オリジナルゲーム工房」があり、アイデアシート(7つの質問)、デザインのコツ、Scratch で使える最小のサンプル、そしてゲームに使える絵と音の素材が入っています。Day 3 の設計はここを使うと進めやすくなります。
最後に、教室で子どもたちを見ていて分かっていることを、いくつかお伝えします。
体験レッスンに来るお子さんのうち、約4割はタイピングが未経験です(とくに小学校低学年に多く見られます)。ですから、キーボードで文字を打つ前提のプランを組まないでください。1週間の自由研究なら、ブロックを並べる方式で十分です。文字を打つ練習は、興味が続いてからで間に合います。
もうひとつ。Scratch から HTML / CSS / JavaScript のような「文字で書く言語」に移るには、私たちの教室でも2〜3年かけます。夏休みの1週間で本物の言語まで行こうとすると、まず続きません。この1週間の目的は「作れた」という手ごたえを持ち帰ることだけに絞ってください。
そして、ゴーゴービット!の「オリジナルゲーム工房」を作るとき、私たちはあえて答えを出さない設計にしました。完成品のコードは載せず、質問と最小のサンプルと「考えてみよう」の問いだけを置いています。今は聞けば答えが返ってくる時代ですが、自由研究で本当に残るのは、答えではなく「詰まって、自分で抜け出した経験」のほうだと考えているからです。
お子さんが手を止めているとき、それはたいてい、困っている時間ではなく考えている時間です。少しだけ、待ってみてください。
ワークシートを印刷する(https://gogobit.jp/summer/ )。机の横に置いておくだけで、記録が残る自由研究になります
今日を Day 1 にして、30分だけゲームを触らせてみる。完成予定日から逆算すると、いつ始めればいいかがはっきりします
「どこが一番むずかしかった?」と聞く準備をしておく。この一言が、提出物のいちばん大事な章になります
この記事を書いた教室について
Kidsプログラミングラボ 秋葉原教室 — Scratchの「楽しい」で終わらせず、HTML / CSS / JavaScript という“本物の言語”まで進ませたい小中高生の家庭に、つまずきポイントと伸び方の地図を渡す、秋葉原の実店舗スクールです。
この記事の1週間プランは、教室で7〜9月に生徒たちと進めている取り組みを短くしたものです。「1人だと最後まで作りきれるか不安」「もっと深くやらせたい」と感じたら、一度教室をのぞきに来てください。体験レッスンでは、お子さんが実際にコードを書いて画面が変わる瞬間まで体験できます。お子さんとの相性をその場で確かめてください。
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