
学校・学童への出張プログラミング体験、始めました
2026年8月から9月にかけて、台東区内の小学校3校の放課後子ども教室にお招きいただき、Scratchのプログラミング体験会を実施しました。6日間で参加した子どもたちは延べ117名。そのほとんどが「プログラミングは初めて」。それでも終わる頃には、それぞれの画面で自分のゲームが動いていました。
この経験を踏まえて、当教室では小学校・学童・放課後子ども教室などへの出張プログラミング体験を正式にお受けすることにしました。この記事では、どんなことをやるのか、なぜ私たちが教室の外に出るのかを、率直にお伝えします。保護者の方にも、学校や学童の運営に関わる方にも読んでいただける内容です。
なぜ出張をやるのか——教室に「来られる子」だけが入口を持つ状況を変えたい
正直なところから書きます。私たちは秋葉原の実店舗スクールです。通ってくれる生徒がいて初めて成り立つ事業で、出張体験がその入口のひとつになればという期待も、もちろんゼロではありません。
ただ、それだけなら教室で体験レッスンをやっていれば足ります。わざわざパソコンを抱えて学校まで出向くことにした理由は、別のところにあります。
プログラミングの体験教室に子どもを連れて行けるのは、保護者がその選択肢を知っていて、送り迎えの時間が取れて、秋葉原まで来られるご家庭です。逆に言えば、その条件がそろわない子には、「作る側」に回る最初の1回がなかなか巡ってきません。ゲームやアプリを「遊ぶ側」として毎日触れているのに、それが「作れるもの」だと知る機会だけがない——この差は、本人の興味や向き不向きとは関係のないところで生まれています。
学校や学童は、その条件と関係なく子どもたちが集まっている場所です。そこに私たちが出向けば、家庭の事情に関係なく、最初の1回を届けられます。3校での体験会も、いずれもこの考えで「地域の子どもたちへの教育貢献活動」としてお受けしました。
3校の放課後子ども教室で実際にやったこと
1校目は2026年8月3日・7日、2校目は8月17日・19日、3校目は9月28日・30日。いずれも放課後子ども教室の活動時間をお借りして、各校2日ずつ実施しました。参加者は8月の4日間で延べ92名、9月の2日間で延べ25名(13名・12名)、合計で延べ117名です。内容は、当教室の体験レッスンと同じ「Scratchでゲームを1本、ゼロから完成させる」体験です。
大事にしたのは2つです。
1つめは、1コマあたりの人数を12名前後に絞ったこと。 最初の8月3日は参加希望に合わせて2コマに分け、12名×2コマの計24名で実施しました。9月の2日間も13名・12名と、同じ規模を守っています。人数を絞る理由は単純で、講師とサポートスタッフが全員の手元を見て回れる規模を守るためです。「手を挙げたのに誰も来てくれなかった」が一度でも起きると、その子にとって最初のプログラミング体験は「置いていかれた記憶」になってしまいます。
2つめは、説明を聞いて終わりにせず、その日のうちに"動くもの"まで行くこと。 難易度の違う2種類のゲームを用意し、自分で選んでもらいました。低学年でもキーボードの上下左右だけで完成まで行ける設計です。
1校目(8月3日・7日)の詳しい様子——子どもたちがどこでつまずき、どこで目の色が変わったのか——は、開催レポートにまとめています。
当日の流れ
出張体験の進行は、基本的に4ステップです。
- プログラミングってなに? — 導入。文字を打たなくてもブロックをつなげるだけでキャラクターが動くこと、「まちがえても、なんどでもやり直せる」ことを最初に伝えます
- れんしゅう — マウス・キーボード・Scratchの画面を実際に触ってみる時間を、独立して取ります
- ゲームを作る — 難易度の違うゲームから1つ選んで制作。完成した子から改造に進みます
- 完成ひろう — できあがったゲームを、お互いに遊び合います
2番の「れんしゅう」をわざわざ1ステップ置いているのには理由があります。当教室の体験レッスンに来るお子さんの約4割はタイピングが未経験で、特に低学年ではマウス操作から練習が必要な子もいます。この段階を飛ばすと、プログラミングでつまずいているのか操作でつまずいているのかが本人にも分からなくなり、「自分には向いていない」という誤った結論に着地しかねません。ここは出張先でも省略しない部分です。
お受けできる形
現時点でお受けしているのは、次のような場です。
- 小学校(授業・課外活動・放課後子ども教室など)
- 学童クラブ・児童館
- 地域の子ども向けイベント(自治会・PTA主催など)
対象は小学生が中心です(中学生や年長のお子さんが混ざる場合もご相談ください)。会場に机とイスと電源があれば、パソコンは当教室が持参できます。施設のPCを使う形でも対応可能です。所要時間や人数の分け方は、活動時間の枠に合わせて調整します。
実施の条件や費用については、場の性質や規模によってご相談しながら決めています。まずは 教室のお問い合わせフォーム から、開催したい場の様子(対象学年・人数・使える時間)をお知らせください。
なお、出張先で当教室への入会を勧誘することはしません。体験の場はあくまで体験の場として完結させます。持ち帰ってもらいたいのは、教室のパンフレットではなく「自分にも作れた」という手ごたえです。
保護者の方へ——1回の体験でできること、できないこと
お子さんの学校や学童でこうした体験会があったとき、期待していただきたいことと、期待しすぎないでいただきたいことを、正直に書いておきます。
1回の体験会で分かるのは、その子がプログラミングを面白いと感じるかどうか、ここまでです。才能や向き不向きは分かりませんし、1回でスキルが身につくものでもありません。
そのうえで、この最初の1回には意味があると私たちは考えています。「面白い」と感じた子は、家でScratchを開いてみたり、「もっとやりたい」と口にしたりします。そのサインが出たときにどう受け止めるかは、体験レッスン前に保護者が確認したいことFAQ が参考になるはずです。
また、その先の道のりは長いものです。Scratchで自由に作れるようになってから、Python や HTML / CSS / JavaScript といった文字で書く言語へ——当教室では、この移行に2〜3年かけてじっくり取り組みます。全体像は 小中学生プログラミング 0→100完全ロードマップ にまとめています。体験会は、その長い地図のいちばん最初の一歩です。
現場から
3校での体験会を通して、印象に残っていることがあります。
「動かない!」という声が上がるたびに、私たちは内心少しうれしくなっていました。動かない理由を探して、直して、動いた——この一往復こそが、プログラミングの学びの最小単位だからです。体験会の短い時間の中でも、この一往復を経験した子は表情が変わります。「まちがえても、なんどでもやり直せる」という導入で伝えた言葉が、自分の体験として腹落ちする瞬間です。
そしてもうひとつ。完成した子の画面には、自然と人が集まります。「どうやったの?」「それどこのブロック?」と、こちらが何も言わなくても教え合いが始まる。普段いっしょに過ごしている友だち同士の場で体験することの強みは、ここにあると感じました。教室での体験レッスンでは初対面の子ども同士になることが多いので、これは出張ならではの景色です。
出張体験の実績は、まだ台東区内の小学校3校です。ここから少しずつ、お招きいただける場を増やしていければと考えています。
今日からの一歩
- 学校・学童・子ども会の運営に関わっている方へ:お問い合わせフォーム から、対象学年・人数・使える時間の3点をお知らせください。実施できる形を一緒に考えます
- 保護者の方へ:お子さんの放課後の場(学童・放課後子ども教室)でこうした企画ができないか、運営の方に聞いてみてください。この記事を見せていただいて構いません
- 今すぐ体験させてみたい方へ:秋葉原の教室では随時、無料体験レッスンを行っています。出張を待たずに、最初の1回を体験できます
この記事を書いた教室について
Kidsプログラミングラボ 秋葉原教室 — Scratchの「楽しい」で終わらせず、Python や HTML / CSS / JavaScript という"本物の言語"まで進ませたい小中高生の家庭に、つまずきポイントと伸び方の地図を渡す、秋葉原の実店舗スクールです。
出張体験でお届けしているのは、教室の体験レッスンと同じ「自分の手で作ったものが動く瞬間」です。体験レッスンでは、お子さんが実際にコードを書いて画面が変わる瞬間まで体験できます。お子さんとの相性をその場で確かめてください。